さらば、ヒャッハー
「んな、“怖い顔”すんなって。今んとこ、あんたら呪うメリットなんかねえから」
息を呑む。明らかに破顔した秋月、狐面で見えるはずがないと思っていたのに、力が抜けた顔面さえも男は良い気味と愉快げに口端を歪めた。
「名前で呪ったりなんかしねえよ、体力ゲージ使うかんな。無駄な体力使いたかねえんだよ、奥さまヒーヒー言わせるためにも、なに?体力温存しておきたい、みたいな?
というか、あんたらが俺の前にいる時点でもう“手遅れ”。ただ手遅れ状態になってないのは、俺が“手を出してないから”。分かるー?仲良くいこーや、あんたらもあんたらでなかなか楽しそうだしよぅ」
絡みチンピラみたいな声のトーンの上下とが激しい。イラつくしゃべり方にせよ、男への認識が甘かったことを知る。