さらば、ヒャッハー


藤馬が舌を出して、口を歪ませる。


一直線な馬鹿は好きだ、何せ、思い通りに動いてくれる。同じ末路と知らずに、さぞや潰れたカエルみたいな、笑っちまう無様を披露してくれんだから――


「……、あ?」


思い描いた、藤馬の筋書きが狂ったのはすぐだった。


刀を抜かずに秋月が止まる――いや、掴まれていた。


「兄さん、にい、さん……」


未だに痛みの淵をさ迷う冬月が、秋月の腰を抱く。


左腕だけで強く、求めるように。


それが自分の二の舞を恐れての制止か、ただ単に「痛い」と助けを求めることにせよ、秋月を止めるのは十分で。


「にい、さん、みぎ、て……、なくなってああ゛ぁっ。こんな、ぶざま……にいさんに嫌われたくない……、にいさん、僕、にいさんの、にいさん好きだから、みぎてないぼくで、好きでいて……っ」


< 72 / 237 >

この作品をシェア

pagetop