さらば、ヒャッハー
「ああ、いい出来に決まっている。何せ、俺が作った呪術だからな。思い込み――まあ、名付けるとしたら、“想定呪術”か。人間つーうのは想像する生き物だ。あらゆることを想定し、それに基づき動く。世の中はあり得ないことだらけだけどよぅ。想定はあり得ないことがあり得ないと想像しちまうもんだ。“念のために”の保険だよ。
それが思い込み。あるはずがないことは、頭の中の出来事にせよ、痛みを感じるのはどこだ?熱さを感じるのは?傷を見るのは眼球で、認識するのはどの器官だ?
脳だろ、頭ん中にある想定を司る脳がそのぶちまけた右腕を“認識”してみる。
スプラッター映画でよぅ、ノコギリで足削る場面見てさ、『痛そうだなぁ』とか思って、何も起きていない足に“不快感”なんか持たねえか?
それは在りもしない傷を想定してのことであって、俺の場合、そいつを明確にできる。明白に、的確に、想定されたことを再現してやんよぅ。
何せ、俺。呪いを作れっから。おまじないみたいなもんよ。こうしたらこうなるって、実際にできる最強だからさぁ」