さらば、ヒャッハー


「命を喰らう虫共なんて、その骨のタフさに比べたら微々たるものだったろうよ。骨だけっつーのは、致命傷を剥き出しにしてるもんだが、その実、致命的ではねえんだわ。心臓も血もない、命の在りかが分かんねえ骨は何をやっても死なねえがな。

まあ、見るからに切った投げたであろう傷はてめえらがしたこと。致命的は祟りにしても、致命傷を与えたのはてめらの刀か?

致命傷再生の段階が、祟られたこいつにはできない。その段階で使う生命力――『まだ生きてえ』っていう気持ちが血気盛んになってねえから、起きねえままなんだよ。ま、骨に血気なんかねえけどー」


藤馬の洒落にしても誰も笑わなかった。


秋月の手にある溝出を、冬月が見る。


藤馬の話が本当ならば、止めを刺したのは冬月だ。殺すのは野槌にしても、殺したのは冬月。


人身事故を起こした輩と、その怪我人の治療を怠った医者との関係か。どちらも悪いにしかならないが、そも、死に直結する真似をやらなければ、溝出はまたケタケタと笑っていただろう。


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