キミ想い。
帰り道、まだ伊織くんの笑顔が頭から離れない。

 「絢音、どうしたの??今日朝からずっとボーッとしてるよ。」

 「そうそう、入学式の時だってなんか『心ここにあらず』って感じで空中見てたし。」

 「えっ……そうかなぁ…」

とは言ったものの、また顔が熱くなってきた。

 「もしかして…好きな人できた?」

と友達が言った時、あたしは顔が真っ赤っかになってしまっていた。

 「あ、図星だな??」

 「だれだれ~?イ・ケ・メ・ン??」


 「ち…違うって。ちょっと頭痛くなってきちゃった。」

 「そか。でもあやしいぞぉ、この。」

違う、と言いながらもあたしは思った。






あたし、伊織くんに恋をしてるんだ。


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