美味しい時間

いつもより時間はかかったけれど、なんとか会社に着きフロアに入ると、
何やら室内がざわついていた。
何事かとキョロキョロしていたら、いきなり美和先輩に手を掴まれ給湯室に
引きずり込まれる。

「せ、先輩っ。急にどうしたんですか?」

「どうしたもこうしたもないよっ! 百花、あんた東堂課長とどうなってんの」

「えっ? どうなってるって……」

昨日の今日で、まだ美和先輩には何も話していなかったけど、いったい何が
あったんだろう……。どう話していいか悩んでいると、美和先輩が待ちきれない
かのように口を開いた。

「なんで課長が倉橋さんと結婚することになってるのっ!」

美和先輩から出た言葉に、呆然としてしまう。

結婚? まだお見合いもしてないのに? 
いずれはそうなると分かっていたことなのに、急に胸が苦しくなった。
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