美味しい時間
キョロキョロと店中を見渡していると、お水を運んできたさっきの女性に声を
かけられた。
「お店、気に入って下さったのかしら?」
「えっ?」
いきなりそう聞かれて、驚いてしまった。
「先程から目をキラキラさせて、店の中やお庭を見ていたから」
柔らかいものいいと笑顔に、私も顔を綻ばせた。
「はいっ、とても。お料理も楽しみです」
そう答えると、優しく微笑んだ。そして顔を寺澤に向ける。
「寺澤さん、でしたよね?」
驚き目をぱちぱちさせて頷く寺澤に、おしぼりを渡した。
「また来ていただいて嬉しいです。それも、こんな可愛らしい女性を連れてきて
くださるなんて」
茶目っ気いっぱいの笑顔で、寺澤と私の顔を交互に見た。
その言葉に、二人して顔を赤くしてしまった。