美味しい時間


お昼は、豚肉をメインにランチを提供しているらしい。
私は、今日のおすすめランチの生姜焼きを頼み、寺澤はトンテキを頼んだ。
最近食欲が落ちていたけれど、今日は食べたい気分でいっぱいだった。

「夫婦2人で切り盛りしてるんだってさ。俺、まだ一回しか来たことないのに
 覚えてくれてて、びっくりしたよ」

興奮気味に話す寺澤に、笑顔を返す。

「あと……」

「何?」

「俺達の事、恋人同士だと勘違いしてるよな?」

「あぁ……」

思わず顔を緊張させてしまう。
それに気づいた寺澤が、困ったような顔をした。

「悪い。気にするなよな」

「気にはしてないよ。課長とは完全に別れたし……」

またも驚いた顔をする寺澤を余所目に、話を続けた。

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