美味しい時間
結局先輩は、「百花の作った料理が美味しすぎるから」と言う理由で飲み過ぎ、
私のうちで一泊していくことになった。
もうぐっすり眠ってしまっている先輩では話し相手にはならないけれど、昼間の
ことを考えると、一人きりで夜を過ごすのには寂しすぎる。
部屋を簡単に片づけ布団を敷くと、美和先輩を寝かし、自分も布団に潜り込んで
深い眠りについた。
翌日の日曜日も、一日先輩と過ごした。
簡単な話、先輩は酷い二日酔いですぐに帰れる状況じゃなかったのだ。
過ごすと言っても、美和先輩は一日中布団に篭っていて、起きてきたのは夕方
になってからだった。
そして夕食を食べ終えると、徐に帰り支度を始めた。
「何だかかえって迷惑かけて、ごめんね」
まだ多少頭痛が残っているのか、顔を少し顰めながら立ち上がると、私の顔を
両手で挟み込んだ。
いきなり何をするのかと驚いていると、真剣な顔を向けた。
「百花。明日はちゃんと会社に来るんだよ」
「う、うん……」
「休んだりしたら」
「大丈夫。仕事とプライベートは別ですもんね」
私のその言葉を聞いて安心したのか、痛い頭を擦りながら帰っていった。