美味しい時間
今朝は目覚ましをセットしなかった。
寝過ごして会社に遅刻しても、それはそれでいいかも……なんて思っていたか
らだ。でも、そんな甘い私の考えは、あっけなく終わってしまった。
「いつも通りの時間に、目が覚めちゃうんだよね」
時計を見て大きく溜息をついた。
ゆっくり起き上がると、両手を上にあげて身体を伸ばす。これも朝起きてする
行動のひとつだ。
会社に行きたくないと思っているのに、身体は勝手に出社の準備をしている。
そんな自分が可笑しくなって、自然に笑みが零れた。
「ウジウジしてたって、いつかは会社に行かなきゃいけないんだもんね」
布団を大きな音をたてて捲ると、一気に起き上がった。
大好きなチーズトーストを焼いている間にメイクを済めせ、服を着る。
今日は時間があるから、牛乳を多めにミルクティーも作った。
トースターからチーズトーストを取り出すと、それを半分に割る。
「いただきますっ」
食べながら開いている手で髪を梳かす。
ひとりになると、また女子力がない女に戻ってしまったみたいだ。
そんな事を考えながらパパっと朝食を終えた。
洗いものは帰ってからすればいいか……。
カバンの中を整理して身なりを整えると、鏡を見る。
「よしっ」
そう一言自分に言い聞かせると、会社に向かった。