美味しい時間
「慶太郎さん……」
「今晩は、こうやって百花を抱きしめて眠らせてくれ」
「うん……」
一度頷き、課長の胸に頬を寄せる。
すると、力強く抱きしめられた。
「うぅっ、苦しい……。これじゃあ私、寝れないよ」
「大丈夫、大丈夫」
何が大丈夫なのっ!?
何とかその力を緩めようと動いても、一向に緩めてくれる気配がない。
それどころか、スースーと寝息が聞こえてきたんだけどっ!
だ、ダメだ……。完璧に寝ちゃってる。
課長も疲れてたんだろうなぁ。
……って、昼間に疲れるようなことを何回もした、課長自身が悪いんだけど。
なんて、そんな事考えてる自分が恥ずかしい。
それにしてもこれだけ密着してると、課長の鼓動がハッキリと伝わってきて、
苦しさよりも安心感が増してくる。それに、愛されてる感も……。
課長の寝息を聞いていたら、私もさすがに眠くなってきた。
抱きしめる力も幾分緩和されてきて、身体を動かすスペースができていた。
課長を起こさないように身体を上げ、課長の唇におやすみのキスを落とす。
そして元の場所に身体を戻すと、そっと目を閉じた。