美味しい時間

今日のメニューは、金目鯛の煮付けに、豆腐のそぼろあんかけ。
菜の花のお浸しと、大根ときのこのお味噌汁。

そぼろや辛味噌は作り置きがあるから、茹でる作業をササッとしてしまえば、あとはそんなに時間かからないかな。

脂ののった美味しそうな金目鯛があったから、今日はちょっと奮発しちゃった。
煮付けの良い匂いが漂ってきた。
やっぱり料理は楽しい。私の大切な癒しの時間だ。
フンフンと鼻歌を歌いながら調理をしていると、インターホンが鳴った。
課長だと分かっていても確認しないと怒られる。

「はい」

「俺。慶太郎。開けて」

ひと呼吸して、気持ちを落ち着かせてからドアを開けた。

「お、おかえりなさい……」

「ただいま」

照れる……。真っ直ぐ顔が見れません。
赤い顔をして俯くと、頭を優しく撫でてくれた。

「腹減った~」

そう言いながら部屋に入っていく課長。

「ちょっとだけ待ってくださいね」

そう言ってドアを閉め、キッチンに急いだ。
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