仮
「あなたは女神だよ、キリ」
「…え」
なんで名前を知ってるんだろう。
知り合い…なわけないし、
情報漏洩でもしてるのだろうか。
「なんで名前、知ってるんですか…?」
「んー…まあ、僕…それより、行こうか」
「行く?……わわっ」
オルはぐいぐいと
私の腕をひっぱり歩き始めた。
分からないことだらけだ。
女神って呼ばれたり名前知ってたり、
どっか行こうとするし…
困惑してる私をよそにオルは
ご機嫌という雰囲気を
出しながら歩いている。
「…………♪」
「あ、あれ…」
聞いたことある歌を口ずさむオル。
どこで聞いたんだっけ…
えっと…
そう考え込むとオルがわしゃ、と私の頭を撫でてきた。