窓際のブラウニー
田所さんと私の愛は終わったのではない。
今から始まるんだ。
田所さんを愛したこと、
愛されたこと、
それを形に残すこと、それが私にできる最大の愛。
全てを捨てて田所さんの胸に飛び込めなかったのは、家族を愛しているから・・・
田所さんがそれを教えてくれた。
田所さんは、私を自分の物にする道を選ばずに、私の本当に幸せを考えてくれた。
――トントン
「入るよ。」
神妙な表情をした夫がゆっくりと扉を開けた。
「なかなかこの扉を開けられなかったよ・・・」
ゆっくりと私に近付いて、私の座るベッドの横に腰掛けた。