また一緒に、1本取ろう。
「川瀬選手、今のお気持ちをどうぞ」
ここでっ!?
今にも泣きそうな気持ちを抑えて、
マイクを受け取る。
深呼吸をして、今までを思い返していた。
「…私は一度、剣道から逃げました」
自分の声が震えていたけど、
涙を堪えるのに必死だった。
「いろいろな人に、たくさん心配をかけてきました。私が今、ここにいるのは…たくさんの人に支えてもらったからです」
凌の目がウルウルしてる。
あゆや健ちゃん、流星くんが遠くに見えた。
「例え転んでしまっても、諦めないで立ち上がる勇気があれば、またやり直せる。私は、みんながいたからっ…凌がいたから、やり直せた」