。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
玄蛇はこいつが武器の類いは持ってないと言った。
だけど、あの時点でそうでも、途中で何かを手に入れたかもしれないし。
ボディーチェックをするほうが手っ取り早いし確実だけれど、あたしは響輔に近づけない。
何せ相手はあたしよりはるかに場慣れしているだろうし、拳銃を奪われたら勝ち目はない。
響輔は大人しくカットソーを脱いで、
その下に隠れていた、むき出しの…一見華奢そうに見えるけど、きれいな筋肉のついた上半身が露になった。
響輔はカットソーを手にして、ちらりと下を見ると、
「下も?」と聞いてきた。
「どっちでもいいわ。どのみちそのままの格好じゃ外に出られないでしょう」
「まぁ、そうやな。俺は戒さんと違って露出狂やないし。
下はやめとくわ。今日は勝負パンツじゃあらへんし」
響輔のいつも通り…ってかいつも以上にマイペースな返事を聞いて、あたしはいつものように喚いていた。
「勝負………って、何言ってんのよ!!
あんた拳銃向けられてるって事実が分からないの!この拳銃が見えてる!?その大きなおめ目はダテ!?」
「知ってるて。俺、こう見えても結構動揺してる」
「……動揺ねぇ。ど・こ・が!!」
いつもと全く変わらないわよ!
てか自分で動揺してるとか言っちゃう!?敵に内心の動揺教えてどうすんのよ!!
ああ!この男、この場に来ても突っ込みどころ満載。
落ち着きなさい、一結。この男のわけの分からないペースに巻き込まれてはダメ。
自分に言い聞かせるように頷くと、
「手を挙げて、その場で一周して」
あたしは拳銃を向けたまま響輔を睨むと、響輔は小さく頷いて言われたままゆっくりとその場で回った。
その様子から体のどこかに武器を隠しているとは見えず、
しかし引き締まったきれいな背中に
鷹の代紋を見たときは
ドキリ、と息を呑んだ。