。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
響輔は一見ヤクザと縁遠そうなきれいな顔してるけど、だけどやっぱりヤクザで。
その事実を改めて教えられた気がした。
響輔が一周回って、さっきと同じ位置に戻る。
「その服も寄越しなさい」
と命令すると、響輔は大人しく脱いだカットソーも放って寄越した。
あたしはカットソーをキャッチするとケータイと一緒に、近くにある金庫に放り入れた。
ダイヤル式のかなりしっかりした金庫だ。大きさこそはないが、かなり頑丈な造りになっていて、簡単なことじゃ開かない。
響輔が目を開いてその金庫を見つめている。
「さすがのあんたも金庫破りは無理でしょう?
開く番号は設定したあたししか知らない。
あたしの部屋に入って、生きて出られるとは思わないで」
拳銃を構えて一歩進み出ると、響輔が手を挙げたまま無言で一歩後退した。
そのまままた一歩と進むと、響輔も一歩足を引く。
その状態のままそろりと移動して、あたしは壁の中央にあるベッドまで響輔を追い詰めた。
響輔はこれ以上さがることができないことに気付いたのか、僅かに後ろを振り返り、それでもまたすぐにあたしの方に顔を戻す。
「落ち着いてや。今俺を撃ってもどないするん?」
「どうするって?」
「死体の後始末はどうするつもりや。いつまでも隠し切れへんで?ハウスキーパーやって来るやろうし」
「その心配は結構。あたしの心配より自分の身の心配したら?」
あたしはいつの間にか響輔のすぐ近くまで詰め寄り、こいつの胸の辺りで銃口を突きつけた。
「さがって」
ことさらそっけなく言うと、響輔はまたも後ろを振り返り、
「後ろはベッドや?行き止まりやで」とちょっと微苦笑を浮かべた。
「いいから!下りなさい!!」
あたしが怒鳴ると、響輔は諦めたように靴を脱ぎはじめた。