。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。




「ごめん……俺、女心っていうやつがあんま分からんのやわ。


だからどうすればええのか分からへんのや」




響輔は困りきったように目を伏せて、あたしの首元に視線を這わせている。


「ただ、謝りたかっただけやのに……」




響輔―――……




ヴーヴー…


遠くで金属が鳴る鈍い音が聞こえて、それがあたしが金庫に放り込んだ響輔のケータイから発せられていることにすぐに気付いた。


響輔があたしから視線を逸らし僅かに首を捻り、音のなる方へ振り返る。


あたしは響輔の手を乱暴に振りほどくと、響輔の両頬を手で挟んでこちらを向かせた。


「……電話…」と言い掛けた響輔の唇を塞ぐように


キスをした。


「ちょっ…」


響輔が驚いたように顔を背けようとしたけれど、それ以上の乱暴なことはしてこなかった。


あたしは強引に前を向かせて


「あたしから目を逸らさないで。今はあたしじゃない何かを考えないで」


そう言って、響輔を真正面から見つめた。





あたし、



言ってること目茶苦茶だ。








< 417 / 776 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop