。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
分かってる。
こいつはどんな取り引きを持ち出したって、あたしのものにはなってくれない。
玄蛇が言った。
こいつらは“強い意志”があるのだ、と。
本当ね。
あたしが銃口を向けても、こいつは“死”の気配を感じる間際でも、その意志が覆されることはなかった。
驚いてはいたようだけど、たじろいだ気配を見せなかった。
ただ、まっすぐにあたしを見ていた―――
あたしを―――
あたしの涙が頬を伝い落ち、響輔のむき出しの肩に落ちる。
その気配に気付いたのか、
「一結」
響輔はまたもあたしの名前を呼び、宥めるかのように肩に手を置いてきた。
名前を呼ばないで。
最愛のママが付けてくれた、大切な名前を―――
―――いいえ、呼んで。
『一結』ってたくさん呼んで。
あなただけなの。あたしの名前をきちんと呼んでくれるのは。
あなただけなの。―――あたしが欲しいのは―――
「………響輔にあたしを
あげる。
たった一回貰ってくれたら、こないだのこと―――忘れてあげるわ」