。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
あたしが響輔の手をとり、自分の胸元へ導くと響輔は戸惑ったように視線を泳がせた。
こないだと違ってあたしの胸元に引き寄せられた手をすぐに引っ込めようとする。
「…いや、それは……」
響輔が言葉を選ぶように口の中で呟く。
でも最適な言葉が浮かばなかったのか、僅かに目を伏せた。
その表情が答えを物語っている。
あたしは今度こそ―――
完全に拒絶されたのだ。
あたしは響輔の手を乱暴に取った。
「どうしてよ!どうして、どうして!」
どうして……
どうして、あたしは誰にも愛されないのだろう。
誰かの手を求めても、いつだってその手はあたしを握りかえしてくれることはなかった。
いくら体を重ねても、いくら甘い言葉を囁かれても、
それは全て偽りの言葉。偽りの感情。
本当の意味であたしを愛してくれる人なんて―――いないのだ。
―――実の父親である、鴇田があたしを捨てたように。
今だって厄介者のあたしを持て余している。
そう、
あたしはいつ、どこへ行っても厄介者のお荷物。
面倒な女扱いされるなら、とことんまでワルい女になってやろうと決めた。
愛なんて要らない。意味を知らなくたっていい。
だってそこには永遠なんて存在しないのだから―――
求めるのは愛情じゃなく地位やお金。その上後腐れがなく口も固い。
男にとってこれ以上に扱いやすい女ってなくない?
だけど響輔はあたしの手を拒んだ。
「あんま安っぽいことせぇへん方がええよ」