。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
響輔の言葉に顔を上げると、響輔は少しだけ眉を寄せて悲しそうに笑い、あたしの目元を指でそっと拭ってくれた。
ぎこちないけど、優しい―――手付きだった。
「俺、あんたのこと嫌いやないし、むしろ美人でスタイルもいいから、ラッキーやないか。って思う。
ええ女にそう言われて、男冥利に尽きるっての?
それでこないだの件チャラにしてもらえるんなら儲けもんや、とかちょっと過ぎった」
響輔は一生懸命言葉を考えるようにして首の後ろに手を置く。
「でも、そんな汚いこと考えてる自分が嫌になんねん。
嫌いやないイコール女性として好きかって聞かれたら、そうやないし。
お嬢に操立てしてるわけやないけど、
でも気持ち残ってるから、あんたにも悪いし。そんなんできっと俺、集中できへん。
お互い後味悪いだけやん。
俺はもう
後悔したないんや。
あんたも後悔したないやろ?」
不器用な言葉をつむぎならも、それでも響輔はまっすぐにあたしを見据えてきた。
その揺ぎ無い視線を逸らそうとせず、ただひたすらにあたしを―――見つめてくる。
あたしは、はじめて―――響輔の感情に向き合えた気がした。
「俺があんたを好きになって、あんたもそのとき俺を好きでいてくれたら、
そのときそうしよう?
それやったらあかん?」
響輔はあたしの髪をそっと撫でて、悲しそうにちょっと笑った。