。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
響輔は―――……
今までの男と違う。あたしの体を求めない男―――
こんな男はじめて会った。(玄蛇もそうだけど、あいつは根本的に違うから)
何かを求められなくても、一緒にいてくれる。
「自分を大切にしい。
自分自身を愛してあげな」
響輔は口元に淡い笑みを浮かべて、あたしの髪を優しく撫で梳く。
響輔の仕草はぎこちなかったけれど、どこまでも優しくて、包み込むようにあったかくて、
不覚にもあたしはまたも涙を零していた。
響輔があたしの頭を引き寄せると、優しく抱きしめてくれた。
あたしは響輔の首に手を回し、彼のうなじを何度も撫でた。黒いサラサラの髪が心地よくて、その髪をぐしゃぐしゃにまさぐりたくて、
でもあたしはその髪の中に手を入れるだけで、それだけでドキドキした。
同じように響輔もあたしの髪を優しく撫でてくれた。
――――
――
結局、あたしはそのあともしばらく響輔の胸で泣き続け、響輔は黙ってあたしの頭を撫でてくれていた。
泣き止んだところで体をそっと離すと、真剣な顔で
「あかん!今何時や?」
と響輔がムードをぶち壊す一言。
「夜中の1時。どうしたの?」と聞くと、
「―――終電、逃した」
響輔はガクリと項垂れた。