。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「今日はバイクで来てないの?」
鼻を啜りながら、それでもこいつの前でみっともなく泣きじゃくったことが急に恥ずかしくなりあたしは顔を逸らしてわざとそっけなく言った。
「雨降っとたし、車庫に取りにいくの面倒やったから。どないしよ…タクシー…かぁ」
項垂れている響輔を見つめて、突如閃いた。
「じゃあ泊まっていけば?」
「はぁ?あんたさっき俺の話聞いとった?」
と響輔が顔を歪める。
「聞いてたわよ。だから別に何もしなくていいし。一緒に寝てくれたらこないだの件チャラにしてあげる♪
寝るだけよ。終電逃しちゃったし、タクシーで帰るよりいいでしょ?」
「一緒にって……ここで?」
響輔が今座っているベッドを指差す。
「そう」
あたしが短く頷くと、
「いや、そら無理。もし泊まるとしてもソファに寝る」
と響輔はベッドを降りようとする。その腕をあたしは慌てて掴んだ。
「ダメ!ここで一緒に寝るの!!じゃないとこないだのこと一生許してあげないから!あたしがあんたより先に死んでも一生呪ってやるから!」
片方の足をベッドの下に降ろしていた響輔はあたしの発言に振り返り、
「呪い……そら困る…」
と言ってベッドに戻った。
「呪いって言葉に反応するって、あんた本当は怖がり??」
からかうように笑うと、
「別にホラーとかは大丈夫やし俺に霊感なんてないけど、でもあんたはほんまにやりそうやからな。
幽霊ぽい演技見たし、なんかリアル」
と言って再びあたしに向き直った。