。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
細いのに力強い腕―――…でも強引さは微塵も感じない。
優しい―――体温……
響輔はあたしの髪に鼻の先をくっつけると、そのまま黙り込んだ。
ああ…こんなことならせめてシャワーぐらい浴びるんだった。
撮影終わってからメイクもなおしてないし。ってか後ろから抱きしめられてるわけだから顔は見えないけど。
けど
こうゆうのを幸せって言うのかな……
響輔はこないだの件をチャラにしてもらおうとしてるだけに過ぎないけど…
でも―――……幸せ
あたしは腰に置かれた響輔の、力が抜けた腕に手を回すとその細い指にそっと自分の指を絡めてみた。
響輔は振りほどこうとはせずに、大人しくされるがまま。
「…………」
てか……まさかと思うけど、こいつ寝てる!?
こないだだってお参りしてる最中に寝てたしね!
確認する意味で顔だけ振り向かせると、響輔は切れ長の瞳をしっかりと開けて真剣なまなざしでじっとあたしを見据えていた。
「一結」
またも名前を呼ばれて、ドキッ
「…な、何??」
「せめて服だけでも返して。俺エアコン苦手なんや。風邪ひいてまう」
…………
な…
「何なのよ!そんな真剣な顔して言うこと!?布団かぶれ!」
あたしは今度こそ体ごと振り返ると、むぎゅっと響輔に布団を押し付けてやった。