アゲハ~約束~
 ―――ずっと。

 ずっと、二人は、そこで、二人の体温を共有していた。


 学園の扉が開いて、園長が帰ってきても、ずっと。



「・・・あら。」

「・・・すみません・・・眠っちゃったみたいで。」



 アゲハは安心して、眠りについてしまっていた。

 園長は優しく微笑んで、彼女の熱を確認した後で、ルフナに彼女を運ぶように指示する。



「そうして、また、ずっと傍にいてあげて。」



 寂しそうにしていましたから。

 彼女の言葉に、ルフナは、強くうなづいて応えた。



「もちろんです。」




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