《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
千早は俺たちのやり取りを終始、微笑ましく見つめた。



そして、ドアを閉めて、運転席に乗り込む。



「俺も怪我人だ…護れるかどうかはわからないぜ」


「自分の身は自分で護ります…」


「ほぉーっ…お手並み拝見だな…」


「もおっ。知弥の意地悪!」


花奏は頬を膨らせて、拗ねた。


「意地悪なんてしてないけど…」


「口調が十分…皮肉めいてる」


花奏は俺の頬を抓った。


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