《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
「さてと、浴槽にお湯でも張ろうか」


知弥は長い前髪を掻き上げて、腰を上げた。


私はテーブルにあったテレビのリモコンを操作。


退屈なので、テレビを付けた。



「ぎゃあああ~っ!!?」


髪の毛を逆立てて、全身で仰天した。


「たくっ…騒がしい…」


知弥がバスルームから戻って来た。


「色気のある声をもっと出せよ…」


私はソファーの後ろに隠れて両耳を塞いで、丸まり芋虫状態。
顔だけ上げて、知弥に訴える。



「だって…変な…映像がいきなり・・・」


「・・・」

知弥は黙って、テレビを消した。


「ここはラブホだ。普通のホテルじゃない…これくらいあるのは当然だ」




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