3.30からの恋、
2011.03.30



その日の夜だった。


知らない自宅電話からの着信が入った。


「…だれ?」


確か夜中の11時くらいだったかな。


竜也も爆睡している。


あたしはとりあえず通話ボタンを押す。


「…もしもし」


『もしもし』


すぐわかった。


「…リュウヤ?」


だけど、あえての疑問形 (笑)


『そう。今何してんの?』


「なにも。暇」


『先輩は?』


「爆睡だね。明日仕事みたいだし。どうかしたの?」


『暇だった(笑)』


「先輩と宮崎走り行くって言ってなかったっけ?」


『だるいから行かなかった』


「なるほど」


なんだか今日の昼と声のトーンが違って聞こえた。


後から聞いた話、リュウヤは昼より夕方以降の方がテンションが上がるらしい。


いわゆる夜型人間。


昼はだいたいテンション低い。


それから時間も忘れて話し込んだ。


どーでもいい話からばかみたいな冗談言い合ったり、


好きな音楽の話から、色んな人の愚痴、自分の性格。


恋ばな、元カレ元カノの話。


色々話した。


本当に、時間が経つのなんか忘れた。


いっぱい笑って、ちょっと沈んで、また笑った。


気付いたら携帯の時間は翌朝の5時過ぎを表していた。


「ちょっ…リュウヤ!もう5時過ぎてる!」


『まじだ。全然気づかなかった』


一気に眠気が襲ってきた。


「寝なくて大丈夫!?」


『どーせもうすぐ学校だから。も、起きとく(笑)』


「じゃああたしもつきあうよ」


『眠かったら寝ていいよ?』


「大丈夫ったら大丈夫」


アクビをこらえながらそう言った。


それからちょっとだけ間があいた。


すると突然。


『あー…やべー俺』


リュウヤがボソッとつぶやいた。


「何が?」


あたしはワケもわからず聞く。


『あー…ちょっと待って。…ハハ』


また間があく。


「何?なんかおもしろい事でもあったの?」


そう聞き返した。


何がなんだかわからず黙る。


『好きになったかも』


「は!?」


いきなり意味がわからない事を言われて頭の中はハテナでいっぱい。


「なにが?」


『ミユのこと』


・・・・。


「はい?」












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