先生とシンデレラ
華ちゃんが出て行った後、真衣さんが私に向かって
「良いお友達ね。」
と言ってくれたので頷きながら微笑んだ。

「…真衣さん、本当に今日」

“までありがとうございました”

そう言おうとした唇を真衣さんが人差し指でとめる。

「…私、羅々ちゃんの事気に入ってるから勝手にやったのよ。お礼なんて言わないで。それに、私はこれからも羅々ちゃんとお茶したり、いろんな事したいもの。だから、今日まで、なんて言って終わらせないで。」

「…真衣、さん」

「…真衣さんって呼んでくれるようになってくれたのもすごく嬉しい。」

私が照れながら笑うと。

「…本当に、妹になって欲しいくらいだわ。こんな妹が出来たら、きっとすごく楽しいのに。私には生意気な弟しかいなかったから。」

真衣さんはちらっと先生の方を見る。

「悪かったね、生意気な弟で。しかもいなかったじゃないから。まだいるから。勝手に無かった事にしないでくれる。」

「…あぁ、もう、本当にうるさいわね、あんた!あんたが日頃お世話になっているお姉さんに出来る事はただ一つ、羅々ちゃんと結婚して私の妹にする事よ!」

先生は眉間にシワを寄せながら顔が赤い私の方をちらっと見る。

それから自信満々に頷く真衣さんの方を見て
「姉さんにお世話になったつもりなんて無いけど、そうだね、その姉孝行は考えてあげてもいいよ。」

「…また、上から「もういいでしょ、俺だって羅々と話したいんだから。さっさと行ってよ」

まだ何か言いたそうだった真衣さんは
「羅々ちゃん、大丈夫よ!貴女を稽古につけたのはトップモデルなんだから!自信持って歩きなさい!!」
それだけ言い残して先生に無理矢理外に追い出されてしまった。

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