先生とシンデレラ
「羅々ちゃんが廊下で倒れたんです」



は?

何言ってんだこいつは。

どうせ冗談だろう?

そう思っているのに、心臓は大きく音を立て始める。

「…はっ、何で。」

ようやく絞り出せた一言だった。

冷静に言ってるつもりだったけど焦りがにじみ出ていたのだろう、花森は楽しそうに
「さぁ…?目が赤かったから、眠れなかったんじゃないですかね。」

「…っどいて!」

目の前に立っていた花森を押しのける。

考えるよりも先に足が動いていた。

後ろで花森の、きゃ、と言う声が聞こえたけどそんなのどうでも良い。

目が赤かった?

眠れなかった?

そんなの、

全て

俺のせいじゃないか。


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