先生とシンデレラ
ご飯を食べ終わって、自分の部屋にもどった私は、三浦君に、俺はミュージックプレイヤーにデータがあるからと貸してもらったCDをかけた。

三浦君がいるのを想像しながらくるくると回る。

一曲全て、完璧に踊れる。


「…」

曲が終わってもう一度流そうと伸ばした手を、下ろした。

…もう、嫌だ。

ベッドにポスンッと身を投げる。

何で出来ないんだろう。

先生の事、そんな気にしてるのかな。

そばにあった枕に顔を押し付ける。

私には、関係ないって、そんなの分かってるはずなのにな。

自分が思うより、



やめよう。

とにかく、今は練習しなきゃ。

いつでも
どこでも
誰といても
どんな状況でも
キチンと踊れる様に。

そのまま眠りたい気持ちを抑えて、再生ボタンに手を延ばした。
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