先生とシンデレラ
「学校の時からずっと思ってたんだけどさ。」

先生の車の中。

隣に座っていた不自然なほど私の顔を見つめて、そう声をかけてきた。

「…うん?」

「何か、昨日眠れなかった?」

先生が、ミラーごしにチラッと私をみる。

「…うん。わかる?」

「おう。目、赤いから。授業中も結構欠伸してたよな。」

…ばれてた。

恥ずかしさを隠すように、早口で
「良く見てるね」
と笑いながら言うと。

なぜか三浦君は顔を赤くして、
「…ばっ、別にそんな事ねぇよ!」

…?

何でそんな必死なの?

私が思わず小首をかしげると三浦君は
「そ、そんな事より何で寝れなかったんだよ?」

「…ダンスの練習、してたの。」

「…」

「どんな状況でもちゃんと踊れるようにって。三浦君も迷惑でしょ?私が上手く無いと。」

私が控えめに笑うと。

「そんな事より早く寝ろよ。」

三浦君の、怒ったような声がした。


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