先生とシンデレラ
「いいわよー!その調子よー」

トオルさんの声を聞きながら、クルクルと踊る。

…寝不足だからかな。

少し頭がクラクラする。

って、踊ってんだから当たり前か。

自分を奮い立たせようと、勢いよくターンすると。

「…っ」

視界が、反転した。

「長谷川!!」
「羅々!!」

先生と三浦君の声がほぼ同時に聞こえる。

とっさに目の前に差し出された、手と、三浦君のシャツを掴んで三浦君の方にもたれかかる。

気持ち悪い。

吐き気がする。

「おいっ、大丈夫か、長谷川?!」

「…うん」

先生が某然と立ち尽くしているのが見えて。

三浦君は私をそっと床に座らせている時。

「昨日だけじゃなかっただろ、寝れてなかったの。」



ゆっくりと、腰をおろす。

「あいつが、原因なのか?」

まっすぐに私を見つめる目には

「加藤のせいなのか?」

熱がこもっている事に、

「あいつじゃなきゃ、ダメな理由なんてないだろ?」

前から気づいてた。

「…長谷川が好きなんだ。」

それに甘えたのは、私。


三浦君は私にしか聞こえない声で、そっと呟いた。


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