先生とシンデレラ
「…何。」

目の前で膝に手を置いて息を整えている潤を一瞥して。

「っ家まで、送ってくれよ…どうせ、お前ん家の裏なんだからさ!」

あからさまに嫌な顔をすると潤は、うっ、と一歩後ろに下がった。

「…何で。いつも車で来てるでしょ。今日車は。」

「俺の車、車検なんだよ…」

「台車は。」

「運転しづらくてさ。朝はかみさんに送ってもらった。」

潤は自分の顔の前で勢いよく両手を合わせて
「なっ、頼む!」
と言った。

断ったら後々何されるか分かったもんじゃない。

「…乗れば。」

俺はその一言だけを残し運転席に乗り込んだ。
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