先生とシンデレラ
「…うるさいよ。余計なお世話だって言ってるでしょ。」

長いお説教に耐えきれなくてそう言うと。

潤は眉を下げて
「…だったら、好きな人ぐらい作れよ…」



「…いるよ」

「え」

潤が目を見開く。

「だから、いるって好きな子。」

「…し、知らなかった!」

「言ってないからね。」

「ど、どういう人だよ!」

「…どういう人って。」

「か、かわいいのか?綺麗なのか?」

「どっちも。」

「…即答かよ。」

「当たり前。だってそうだし。」

そう言うと、潤はさっきまで話し続けていたのが嘘の様に急に静かになった。

「…」

やっと黙った…

どうせ、聞く事がなくなったんでしょ。

次話し出したら、無理矢理下ろしてやる。

この間に家に着いてしまえば良い。

そう思い始めた時だった。

「…なぁ。」

思いつめた様な声で、潤が話し出す。

『うるさいよ、それ以上話すなら下りてもらうからね。』
そう言うはずだったのに。

そんな事言える雰囲気じゃなくて。

赤信号で止まった車の中、チラッと目配せすると。

「…それってさ、長谷川か?」
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