先生とシンデレラ
車のアクセルをゆっくり踏んで発進させる。

「…なぁ、それがどういう事か、お前分かってんのか?」

「…」

空は、雨が降りそうで。

「それがどういう事をもたらすか、分かってんのか?」

「…」

「どういう責任がつきまとうか、きちんと考えてるのかよ。」

「…」

本当に。

もっと早く学校を出てれば良かった。

もっとじゃなくて良い。

あと少し。

もう少し、何秒か早ければ。

こんな事、言われなくてすんだのに。

「お前にとっては遊びでも「ねぇ。」

「…っ」

さっきとは違って数段低い声に潤が息を呑んだのが分かる。

「誰に聞いたのか知らないけど、まだ、肯定もしてないんだけど。」

「…は?」

俺の言葉に潤は少し笑って。

「幼馴染をなめんなよ。何年一緒にいると思ってんだ。お前の顔や行動を見てたら分かる。お前だってそうだろ。」

…否定は、出来ない。

「…だとしても、俺は遊びなんて「じゃあ、何で今聞いた時はっきりと、そうだよ、って言わなかった?お前はいつも自分に都合の悪いYesは黙るんだよ。」



ハンドルを握る手が汗ばむ。

「やましくないと思ってるなら、はっきり言ったはずだよな?…お前は昔から大切な事はいつもの性格からは考えれないくらいはっきり言うもんな。」

「…それは」

潤に、反対されると思ったからで。

むやみに言って、否定されたくなかった。

なのに。

潤が言ってる事が全て的を得てる気がした。
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