先生とシンデレラ
やっぱり先生に、劇なんて…

その気持ちが無意識に顔に出ていたのだろう、先生は私の顔をじっと見つめてからフッと笑って。

「…大丈夫。この仕事は今日急に言い渡された物なんだよ。他の先生は家族もいるから、こういう仕事は自然と単身者の仕事になる。」

「でも…」

“先生疲れてる顔してますよ”

そう言おうとしたのに、それ以上口が動かなかった。

だって。

もし私がその言葉を言って。

『確かに疲れてはいるけどね。…やっぱりゲキなんて辞めるよ。』

なんて言われたくない。

「…どうしたの」

先生の言葉にはっとして。

「…っいや、何でも…」

最悪だ。

私、自分の都合で先生の負担をまた増やしてる。

それが分かってるのに。

でも。

…いつから、こんな嫌な女になったんだろう。

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