先生とシンデレラ
私が先生に頼まれて、社会科準備室に先生が忘れて来た台本を取りに行った帰り。

先生の事だから、もう全て暗記しているくせに。

なんで。

ま、いいか。

…急いで戻らなきゃ。

私が早く戻らないと、練習が出来ない。

っていっても本当は戻りたくなんかない。

だって。

今日の練習は。

そう思いながらも早足で角を曲がると、
「…っ」

角を曲がった先にいた人とぶつかりそうになって急ブレーキをかける。

「…っご、ごめんなさい…っ」

慌ててぶつかりそうになった人物を見ると。

「…芽維ちゃん」

私のその呟きを無視した様に芽維ちゃんは
「大丈夫。長谷川さんも気をつけてね。」

「…う、うん」

…芽維ちゃん、体調悪いのかな。

すごく、顔色が…

「…ね、芽維ちゃん、体調悪いの?」

「…え」

「顔色、すごく悪いよ…。保健室行った方が…「っ大丈夫よ!」

あまりにも強気な声に驚くと。

その様子を見た芽維ちゃんはハッとした様に
「…ごめんなさい」

「う、ううん…。」

しばしの沈黙。

その沈黙をかき消すかのように芽維ちゃんは早口で
「劇の調子はどう?」
と聞いてきた。
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