先生とシンデレラ
羅々を時計台の下に残し、急ぎ足で今見て来た店を通り過ぎて行く。

…どこだったけ。

ここら辺のはずなのに。

さっきは右側だったから、今は左側のはず。

左側の店を立ち止まって奥まで見ると。

「…」

あった。





店の中に入って目指す物はただ一つ。

“…可愛い”

ペアのマグカップを手に取って。

レジに並ぶ。

…これの何が良くてペアで持つのかさっぱり分からない。

手にあるマグカップをくるくると見る。

でも。

きっと。

これを渡したら羅々は。

“あげる。”

俺の素直じゃない言葉にも。

可愛く笑いながら。

“ありがとうございます。”



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