蒼穹の誘惑
恨みを買うことは多くても、恩返しされることなどないはずの父にどんな恩が?

二人の間に何があったのか聞きたかったが、高宮はそれ以上何も言わなかった。

少し気まずい空気が流れ、みずきは話題を変えた。

「それにしても、せっかくの日曜日に甥っ子の子守なんて、彼女くらいいないの?」

雰囲気を変えるつもりが、ついプライベートな質問になってしまう。

「別に女に不自由はしていませんけど?」

高宮はさも当たり前のように答える。

「まぁ、そうでしょうね……」

「姉に時々頼まれるだけです。女の相手より肉親の方が大事ですからね」

「ふ~ん」

どこか曖昧にあしらわれた気がしたが、みずきはそれ以上突っ込まなかった。


< 100 / 326 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop