蒼穹の誘惑
キッチンで後片付けを手伝いながら、みずきは気になっていたことを高宮に尋ねた。

「ねぇ、どうして私の秘書なんかしているの?」

「どうしたんです、いきなり?」

高宮の眉がピクンと上がる。

「だってあなたならどこの会社も喉から手が出るくらい欲しい人材よ?自分で秘書にしていてなんだけど、私的秘書なんかに甘んじているような人材じゃないわ」

「結構楽しいですよ?あなたの反応とか」

「もう、そういう意味じゃなくて……」

「別に弁護士になりたくてロースクールを出たわけでもありませんし、これと言って何かしたかったわけでもありません」

「それなら尚更、どうして長谷川に?」

「先代に、あなたのお父上に恩がありますから……」

「父に?」

それは思ってみなかった高宮からの言葉だった。


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