蒼穹の誘惑
「ほら、言ったでしょう?」

「ご、ごめんなさい。今すぐ片付けるわ」

「危ないからいい、俺がしますよ」

「イタッ……」

「全く……危ないと言ったでしょう!」

急に声を荒げる高宮にみずきは驚く。

「ごめんなさい。私ったら……大切なお皿だった?」

「そんなこと言ってません。指、見せてください!」

高宮は強引にみずきの指を手に取った。みずきのひとさし指の腹は少し切れ、そこから血がにじみ出ていた。

高宮はその血を軽く舐める。

「……っ……」

みずきは思わず手を引っ込めそうになったが高宮は放さなかった。

「た、高宮君、もういいわよ……」

「ダメです。ちゃんと消毒しないと」

高宮はそう言ってみずきの指を深く吸う。




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