蒼穹の誘惑
みずきはバスルームの鏡に映った自分の姿に驚いた。

全身に高宮の愛撫の証である赤い痕がはっきりと残っていたのだ。

----珍しい。

今まで高宮は絶対にキスマークを残すなどしたことがなかったのに。

みずきの鼓動は急に早くなる。身体は熱を帯び、昨夜の情事が思い出される。


(何だったんだろう?昨日の蒼冴はいつもと少し違った。
すごく激しくて、そして----)


みずき自身、今更自分がどうしてこんなに動揺しているのか分からない。

高宮と寝たのは一度や二度ではない。

ホテルやみずきのマンションだけでなく、昼間の社長室でも何の躊躇いもなく身体を重ねてきた。

こんな風に、初めてセックスをしたカップルのような気恥しさを感じるのは、みずきにとって初体験である。

みずきは火照る身体を流し消すように冷たいシャワーを浴びた。


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