蒼穹の誘惑
自分のマンションへ戻り、みずきはほっと安堵の一息をつく。

時計を見ればまだ7時半だ。

ドサッとソファーに崩れるように横になれば、高宮と同じシャンプーの香りが鼻をかすめ、一気に頬が紅潮する。

サロン使用のアロマシャンプーなんて置いてあるものだから、つい匂いにつられて使ってしまったが、良く考えると、シャンプーもトリートメントもボディーソープも全て高宮と同じだ。

高宮のバスルームを借りたのだから愚問なのだが、こんな匂いをプンプンさせて出社なんてできるわけがない。


(もう、最悪……)


髪をかき上げる度にこんな香りがしては、その度に昨日あったことを思いだしてしまう。社員になんて気付かれようものなら、考えただけでも恥ずかしい。

一時間程仮眠を取りたかったが、みずきはバスタブにお湯を溜め、再度お風呂に入ることにした。


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