蒼穹の誘惑
「僕は、みずきさんあなたがいい。言ったでしょう?今日くどくつもりだったって」

みずきの思惑も知らず、浅野は頬を染めたまま熱く見つめ返す。

「本当に?」

「先週からみずきさんのことが頭から離れなかった」

「うれしい……」

何て簡単なのだろう、余りにも単純な展開に思わず苦笑いしそうになるが、慌ててそれをとびっきりの笑顔で誤魔化す。

その笑顔に浅野の顔がまた火照ったのは言うまでもない。

浅野は既にみずきの虜だ。

今夜セックスまでもつれることもなかった、とみずきは安堵した。

席を立ち、レストランを出ようとしたとき、エスコートするように浅野はみずきの腰に手を回す。

性的なものではなく、そっと添えただけのものだった。

だが、浅野の手が腰に触れた瞬間、身体の芯がゾクリとなる。

「あっ……」

何が起こったのだろうか。

急に浅野に触れられた箇所が熱を持ったように疼きだす。



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