蒼穹の誘惑
「みずきさん、どうしました?」

「い、いいえ……」

大丈夫ですか、とその手に力を入れられれば、電流が走ったように身体が跳ねた。

ドクン、ドクン、と心臓が大きく脈打つ。

「やだ、どうしてこんなに動悸が……ハァ……」

「みずきさん?顔が赤いですよ」

「飲みすぎたのかしら……」

覗き込まれ首筋に触れる浅野の吐息にブルっと身体が震えた。

「上で少し休みましょう」

浅野はみずきの身体を支えながら、レストランに併設するホテルのスウィートルームへと彼女を運んだ。

エレベータの中でも、みずきの動悸はますます早まり、浅野に触れられた部分が熱を帯び、身体中が火照ってくるのを感じた。

「大丈夫ですか?横になりますか?」

「うん、ちょっと横にならせて」

浅野はぐったりするみずきをベッドに寝かせ、心配そうに見つめた。

「みずきさん?医者を呼びますか?」

「ウ……ン……大丈夫。少し休めば……もしかしたら飲んだ薬にアルコールが反応しのかもしれないわ」

「薬?」

「ハァ……ちょっと体調を崩していて」



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