蒼穹の誘惑
胃薬、とは言えなかった。

珍しく人の体調を気遣ったかと思えば、あの秘書は何を飲ませたのだ、とみずきはカプセルを渡した高宮を心の中で呪った。

水を貰いまたベッドに横になるが、呼吸の荒さも身体の火照りも直らない。

それどころか、浅野に触れられるたびにひどくなるような気がする。

苦しそうなみずきの姿に、浅野は思わず、その髪にそっと手を伸ばした。

「アッ……」

浅野の指が髪に触れだけで、みずきは甘い声を漏らしてしまう。

自分でも何が起こっているのかわからない。

ベッドの上で豊かな胸を上下させ甘い声を漏らすみずきに、浅野も妙な気分になる。

「みずきさん、こんなときに何ですが……すごく色っぽいです。スカートの裾直させてください。自分を抑えられそうにない」

気付けばみずきのフレアワンピースの裾がまくりあがり、美しい脚線美が嫌でも視界に入る。

しかもめくりあがり、ガーターベルトが見え隠れしては、流石の浅野も理性を保てない。

「ごめんないさい」

「いえ……」

潤むみずきの瞳から視線を外し、そっとスカートを直す。

その時、わずかに指が太腿に触れ、みずきの身体はビクンと弓なる。



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