蒼穹の誘惑
「んあぁぁぁ……っ……」

絶え間ない快感の波に意識を手放しそうになりながらも思うことは----


(何故-----?蒼牙……何故こんなことを?)


疼く身体は、蜜を滴らせて浅野を誘うように揺れるが、みずきの頭の中は冷静だった。

こんなこと今まで何度もあった、どうってことはない。自分に何度もそう言い聞かせる。

快楽の為に身体だけの関係を重ねてきたのは自分だ。

それなのに、何故こんなに虚しい気持ちになるのだろうか……

朧気な瞳で浅野を見上げれば、燃えるような熱い眼差しに射抜かれそうになる。

彼は自分の何を知って好意を寄せてくれているのだろう。

汗を迸らせながら、自身の腰を激しくみずきに打ち付けてくる。

彼が囚われているこの自分の容姿は、一皮剥けばどす黒い欲望と打算的な狡猾さで埋め尽くされているというに。

浅野が攻めたてるべく最奥まで突き上げた時、みずきは悲鳴のような嬌声を上げ意識を手放した。

生理的なものか、虚しさからか、閉じた瞳から一筋の涙が零れ落ちた。

そして彼女はそのまま快楽の闇へと堕ちていったのだった。



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