蒼穹の誘惑
「もう、行くのですか?」

「ごめんね。明日までにしなきゃいけないことがあって。こんなとき社長って職を呪うわ」

「そうですか。じゃあ、送っていきます」

少し悲しい表情を見せた浅野に、子犬のようだ、と自然と笑みが零れる。

「ありがとう。でも大丈夫よ。多分迎えがきているから」

「今度いつ会えますか?」

浅野はみずきの手をまだ離さない。

すがるように見つめられれば、つい意地悪をしたくなると言うもの。

「さぁ、いつになるかしら?これからまた忙しくなるのよね」

「…………。」

年下の男とは何とまぁ、かわいいものだろうか。瞳は不安気に揺れ、自分の取った行動が軽率だったかと後悔しているようだ。

「クス、冗談よ。そんなかわいい顔しないで。苛めたくなるじゃない。またデートしましょう?」

そう言ってみずきは浅野の唇にキスを落とし、スウィートを後にした。



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