蒼穹の誘惑
呆然とみずきの後ろ姿を見送った後、浅野は吸い寄せられるように彼女の香りが残るシーツに顔をうずめた。

やっと手にした、この自分の腕に抱けたと思った矢先、するりと交わされる。

あの芸術品のような身体に触れれば、もう己を止めることなどできなかった。

シルクのような肌に吸い寄せられるようにキスを落とした。

みずきの身体の全ての部分が柔らかく、官能的だった。

艶めかしい肢体を思い返し、クッションに頭を預ければ、その横にブルーサファイアのピアスを発見した。

「これ、みずきさんの?」

浅野は慌ててシャツを手に取りながら、みずきの携帯に電話をかけた。

「つながらない。まだ間に合うな……」

こんなピアスなど今度の商談のときにでも渡せた。

だが、一目もう一度みずきに会いたい、その想いが浅野を駆り立てた。

浅野はベッドから飛び起き服を着ると、慌ててみずきの後を追った。



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